アメリカの経済誌「フォーブス」が発表した
2015年版世界長者番付によると、
マイクロソフトの創設者であるビル・ゲイツ氏が、
792億ドルで2年連続首位の座を守った。
原油安やユーロ安が進み、景気を刺激するべく日米欧が
金融緩和にまい進するなど、世界経済には不安要素も漂うが、
資産10億ドル以上の億万長者は昨年から181人増え1,826人
となった。今回はこのランキングのトップ20を中心に
みていくことにする。
■1位 ビル・ゲイツ (米) 792億ドル
マイクロソフト共同創業者。
現在は妻とビル&メリンダ・ゲイツ財団の慈善活動に注
力している。過去20年間で15回もトップに輝くなど、
もはや「世界一の大富豪」は彼の指定席といっても過言ではな
い。前年度760億ドルだった資産はマイクロソフトの
好調なパフォーマンスなどによってさらに押し上げられた。
■2位 カルロス・スリム・エル― (メキシコ) 771億ドル
「メキシコの通信王」の異名を持つカルロス氏は、
2013年まで4年連続で世界長者番付のトップを守った実績があ
る。2014年は56億円を投じてAT&TTの株式を8.3%を取得。
また、ニューヨーク・タイムズの17%近い株式を取得して
筆頭株主となっている。
■3位 ウォーレン・バフェット (米) 727億ドル
世界的に著名な投資家で、長者番付のトップ3の常連。
世界最大規模の投資持株会社であるバークシャー・ハサウェイ社
の株価が、2014年に初めて200,000ドルを超えるなど、
好調なパフォーマンスに支えられ、バフェット氏の資産額も過去
最高となった。
■4位 アマンシオ・オルテガ (スペイン) 645億ドル
世界的な服飾ブランド「ZARA」を設立。
自国スペインが金融危機にあえぐ中、オルテガ氏は
、過去10年間に渡って、同ブランドを運営するInditex社の
配当を数十億受け取り、マドリッドやバルセロナ、ロンドン、
ニューヨークなどの不動産に再投資した。
■5位 ラリー・エリソン (米) 543億ドル
ハイテク関連の起業家。CIA用にデータベースを構築した後、
データベースソフトウェア会社のOracleを設立。
2014年度の収益は383億円まで成長したが、
2014年9月にCEOの座を退くことを明らかにし、
世界に衝撃を与えた。
■6位 チャールズ・コーク/デイビッド・コーク (米) 429億ドル
国際的な複合企業であるコーク・インダストリーズ社の共同経
営者を務めるチャールズ・デイビッド兄弟。
ビジネス界での影響力も去ることながら、政治へのかかわりが強
く、2014年中間選挙では2人で計700万ドルを費やすなど話題と
なった。
■8位 クリスティ・ウォルトン (米) 417億ドル
世界最大の小売り企業ウォルマート創業者次男ジョン・ウォル
トンの妻。2005年にジョンが飛行機事故で他界した際、
夫の資産を相続した。2014年はウォルマートの配当を4.7億ドル
受け取った。
■9位 ジム・ウォルトン (米) 406億ドル
8位のクリスティ・ウォルトンに続きウォルマート創業家の
一族で、創業者サム・ウォルトンの末っ子。一族で設立した150
億ドル弱の資産を有するArvest銀行の会長兼CEOを務めており、
2014年は27か国11,000以上の店舗を擁して、なんと4,730億ドル
もの収益を上げた。
■10位 リリアンヌ・ベタンクール (フランス) 401億ドル
フランスの化粧品メーカーロレアル創業者の娘。
2014年にロレアル株8%をネスレから買い増しを行い、
ベタンクール一家全体でロレアル株の保有率を33%まで
引き上げたことで、資産をさらに増やした。
■11位 アリス・ウォルトン (米) 394億ドル
ウォルマート創業者の娘。美術をこよなく愛し、
故郷での美術館オープンを手がけたり、
自身で収集した貴重なコレクションの一部を美術館に寄付をする
といった顔を持つ一方、政治活動においても支援を行っており、
そのほとんどは共和党へ向けられているようだ。
■12位 サミュエル・ロブソン・ウォルトン (米) 391億ドル
ウォルマート創業者の長男で、ウォルマート取締役会の会長を
務めており、ウォルマートとは別に、自身で運営するベンチャー
企業は、6億ドル近くに相当するハイアットホテルズの株式も保有
している。父親が他界しウォルマートに入るまでは、オクラホマ
州に拠点を置く法律事務所の共同経営者だった。
■13位 ベルナール・アルノー (フランス) 372億ドル
高級ブランドを代表するルイ・ヴィトンやフェンディ、
ブルガリなど計60にも及ぶブランドを傘下に持つLVMH社にて、
1989年就任以降、25年以上もの間CEOを務めている。
「ファッション界の帝王」と呼ばれており、流行を作り出す世界
的なトレンドメーカーの一人でもある。
■14位 マイケル・ブルームバーグ (米) 355億ドル
2013年まで任期を務めた前ニューヨーク市長であり、
金融経済情報を配信する大手通信会社ブルームバーグの創設者の
一人でもある。2014年度は、90億ドルの収益を上げた同社の88%
の株を保有しており、2015年度はブルームバーグ社の経営に
戻ると明言したことで注目を集めたことが記憶に新しい。
■15位 ジェフ・ベゾス (米) 348億ドル
1994年にアマゾンを創設後、CEOとして会社の拡大に努めてき
た。同社の株式18%をまだ所有しているが、アマゾンブランドへ
の顧客ロイヤリティーを今以上に高めるであろうと信じる新規事
業への投資は惜しまない。2014年のスマートフォン事業への参入
は振るわなかったが、2015年オリジナルテレビシリーズでゴール
デン・グローブ賞を獲得したことを契機に、アマゾンは映画業界
へ参入する準備を進めている。
■16位 マーク・ザッカ―バーグ (米) 334億ドル
SNSサイトフェイスブックを友人たちと創設し、CEOの座に就
く。世界中でユーザーは14億人に上り、2014年の同社収益は、
モバイル広告が寄与したこともあって、58%増加し、
なんと125億ドルまで達した。
■17位 李嘉誠 (香港) 333億ドル
1979年に、ハチソン・ワンポア・リミテッドの株22%を取得
し、同社の会長に就任した。1980年には自身の慈善基金を設立す
るなど、慈善家としても有名で、最近ではついにアジアで最も裕
福なビジネスパーソンの一人として数えられるまでとなった。
■18位 シェルドン・アデルソン (米) 314億ドル
ラスベガス・サンズの会長兼CEOを務めており、
別名「カジノ王」。世界最大のカジノ市場の一つであるマカオ
で、数年続いたカジノブームが去り、2014年は苦戦したため資産
額を減らすこととなった。
■19位 ラリー・ペイジ (米) 297億ドル
オンライン検索における世界シェア65%を誇るGoogleのCEO。
2014年は、スマートサーモスタットを手がけるNestやWifi対応の
家庭用監視カメラを販売するDropcamを、それぞれ32億ドル、5
億5,500万ドルで買収した。
■20位 セルゲイ・ブリン (米) 292億ドル
19位のラリー・ペイジとともにGoogleの共同創設者。
発売が頓挫してしまった「Google グラス」やスマート・コンタク
トレンズなどリスクの高い商品開発の運営を担っている。
2013年に27歳同社幹部女性との不倫が取り沙汰されたことが原因
で、ペイジとの間に亀裂が生じたとされている。
2014年は、トマ・ピケティ著の「21世紀の資本」が世界的なベ
ストセラーになり、資本主義経済における格差の拡大などについ
て注目が集まった年でもあった。
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