ココイチが急速に“マンガ喫茶化”しているワケ
(photo by itmediabusiness)
6年連続で増収のココイチ。
なんとアイドリングタイムを利用して漫画を導入しているという
カレー屋なんて飯時しか行かないから、それ以外の時間にいかにお客さんが入るかが大事。
素晴らしい経営手腕。
通称“ココイチ”こと、「カレーハウス CoCo壱番屋」――。売上高は6期連続で増収、営業利益・経常利益・当期利益は3期連続増益となっており、ともに過去最高と相変わらずの好調ぶりである。店舗数は5月末で、国内1282店、海外162店の計1444店。カレー専門店の圧倒的シェアを握っており、2位以下は80店に満たない状況だ。
実は、そんなココイチが近年“マンガ”に力を入れ始めている。どういうことか。
実際にココイチに行った人は、店内に本棚が設けられ数多くのマンガが並んでいるのに気付かなかっただろうか。2010年頃からココイチでは、店舗の快適性向上を目的にマンガを設置し、順次拡充している。
既に5~6年をかけて全店舗の半分、約700店にマンガの書棚が導入されている。直近1年で200~300店に新規に設置されており、マンガを置く店が急速に増えた。
都心部にある狭いスペースの店舗では、マンガを置くのは難しいが、可能な限り全店に設置していく方針である。冊数は店によりまちまちだが、1店舗につき平均して1500冊、郊外店では、なんと4000冊ものマンガを置く店もある。4000冊ともなればちょっとした図書館並みで、なかなか壮観だ。
「設置するマンガの本のタイトルは本部が決めて、スーパーバイザー、店長がその中から手配します。一般的に人気のタイトルをそろえていますね。食事にふさわしくない乱暴なシーンが多いようなのは避けています」と、壱番屋・広報の浅井佳会氏。
そして、なるべくシリーズ物を置くようにし、男性客が7割を占める顧客層を考慮して、タイトルを選んでいるという。例えば、『ONE PIECE』『NARUTO‐ナルト‐』のように大人でも楽しめる少年マンガだ。
また、全店ではないが可能な限りコンセントを設置しており、モバイルワーカーやゲーマーに重宝されている。食べている間に充電でき、マンガを読んでくつろいでいるうちに、バッテリーが満タンになる。
コンセントはテーブルに1セット、カウンターでは2席ごと、または3席ごとに1セットが設置されており、新店ではほぼ全部の店に付いている。さらに、3年前からWi-Fiの導入を進め、現在は98%の店舗で完備している。
しかしなぜ、このようなマンガ、コンセント、Wi-Fiがそろった“マンガ喫茶化”を推進しているのか。
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