静脈を透過して注射の失敗を完全になくすデバイス「VeinViewer」
注射のときに静脈がうまく見つからなければ注射針を再び皮膚に突き刺さなければいけない事態が起こってしまいます。
「大人になっても注射が苦手」という人がいるように、治療の一環だとしても注射を何度もするのは避けたいものですが、近赤外線で血管をリアルタイムで透過することで注射するべきポイントを一目瞭然にするという注射の失敗を激減する医療用機器が「VeinViewer」です。
静脈の位置をリアルタイムで映し出すVeinViewerを開発したのは、アメリカ・メンフィス州のクリスティ・メディカル・ホールディングスという医療機器メーカー。VeinViewerは臨床医向けに開発されたもので、近赤外線によって深さ10mm以内の範囲にある静脈を皮膚表面に映し出すことができます。血液は光を吸収するため、皮膚に無害な近赤外線を照射することで、静脈以外の周囲の組織がグリーンに反射されて血管の位置が視覚的に分かるという仕組みです。
以下は反転モードで静脈をグリーンに投影した状態。VeinViewerは静脈の位置を見えるようにするだけではなく、静脈の分岐や血流の動きまで確認することが可能。どの静脈が最も注射に適しているか、注射後の静脈内輸液はうまく循環しているか、ということまでわかるようになるため、潜在的な浸潤や合併症を回避することにもつながるとのこと。
[ad#co-1]クリスティ・メディカル・ホールディングスはVeinViewerシリーズからいくつかのモデルを販売しており、以下は2012年に発売された手で持って使える「VeinViewer Flex」。
2014年5月に発売された据え置き型の「VeinViewer Vision2」もあります。VeinViewerシリーズが初めて登場したのは2006年で、クリスティ・メディカル・ホールディングスによると、
[ad#co-1] VeinViewerは世界で初めて注射の成功率を100%にできる医療機器であり、医学的に不要な末梢静脈のカテーテルを30%減少させることができるとのこと。何度も注射の苦痛を味わうことがなくなったことで、患者満足度は2倍に及んでいるそうです。なお、実際にVeinViewerを使って注射を行っている様子は以下のムービーから見ることができます。投影されたラインが静脈であることを示すため、出血が映すシーンがあるので苦手な人は要注意です。
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