始めるのに遅すぎることはない。枠にはめない人生のお手本
この春発売されて話題になった、
103歳で現役の美術家・篠田桃紅さんの書籍
『103歳になってわかったこと』(幻冬舎/刊)。
年齢を重ねるごとに、無意識に自分に制限をかけている
「年相応」という考え方から完全に開放されて
自由に生きる彼女の言葉には、強いパワーを感じました。
何歳で何をするか、ということが人の生き方の
指標になっている風潮に異をとなえる篠田さん。
たとえば、「ムダに歳をとっていない」
「いい年をしてまだそんなことを言って……」
など、人を批評するのに年齢は大変便利な言葉だ、
としたうえでこんなことを言っています。
なにかを決めて行動することに、
歳が関係したことはありません。
この歳になったから
これをしてはいけない、
この歳だからこうしなくてはいけない
と思ったことがないのです。
自分の生き方を年齢で判断する、
これほど愚かな価値観はないと思っています。
(『103歳になってわかったこと』p44より引用)
[ad#co-1]大正2年生まれの篠田さんは、
親の反対を押し切って書道で自活することを決意、
24歳で実家を出ます。その後、戦争を経験し、
作品を自由に作れるように なったのは30代後半、
初めて個展を開いたのは40歳を過ぎたころ。
そして、43歳で単身渡米。103歳になったいまも
精力的に作品を発表しています。
女学校を卒業してすぐに結婚することが
当たり前だった時代に育った彼女が、
やりたいことを諦めず、自分の道を突き通したのは
当時の女性としては異例の生き方。
現代の女性が同じことをやったとしても、
きっと周囲からあれこれ言われてしまうほど、
「年相応」の考え方からかけ離れた生き方を通しています。
遅すぎることなんて何もない、
ということを自らの人生で証明している篠田さんの言葉は、
「いまさらできない」と、知らず知らずのうちに
自分の心に押しとどめていることはないか、
問いかけてくるようです。
[ad#co-1]こうして私が長生きしているのも、
自らの人生を枠におさめなかったことが、
幸いして、精神的にいい影響を及ぼしているのかもしれません。
(『103歳になってわかったこと』p45より引用)
決められた枠に人生をおさめる必要なんてない。
本の言葉に背中を押される思いがします。
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