インドネシアのシリコンバレー「デジタル・ハブ」は成功するのか?

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インドネシア大手財閥のシナルマス・グループで不動産事業を手掛けるシナルマス・ランドは、

首都ジャカルタ郊外に新興企業を誘致する。

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インターネット環境などを整えた「デジタル・ハブ」と呼ばれるIT(情報技術)などの

新興企業が集まる地域を造る。行政に頼らず、民間企業の力だけで

インドネシア版シリコンバレー」の建設を目指すという。

この発想はうまくいくのか。

答えはNOだ。考察してみよう

世界最大の時価総額を誇る企業はアップル、第2位はグーグル、第3位はマイクロソフトだ。

さらに6位はアマゾン・ドット・コム、7位はフェイスブックが食い込んでいる。

これら5社合計額は、日本企業の上位50社とほぼ同規模となる。

これらの企業群はシリコンバレーと密接な関係がある。

シリコンバレーを中心とした経済が、世界経済の中心となっている構図がハッキリとわかるだろう。

シリコンバレー発展の秘密は、まずスタンフォード大学の歴史を知る必要がどうしてもある。

スタンフォード大学は1891年、鉄道王リーランド・スタンフォードによって設立された。

そして後に「シリコンバレーの父」と呼ばれることになるスタンフォードの

卒業生でもあったフレデリック・ターマン教授の存在がとてつもなく大きい。

学生たちに、大学の周辺で自ら事業を起こすことを奨めるようになった。
さらに、第二次世界大戦中、ターマン教授はワシントンで政界に豊富な人脈を作った。

国家と密接な関係を持ったことで、その後スタンフォードに戻った教授は、

その人脈を活かして政府から大学や地元企業に多くの事業がもたらされるように取り計ったのだ。さらに50年代には航空、宇宙、電子の分野における国防プログラムによって、シリコンバレーの産業は大きく成長した、という歴史がある。

そもそも、インターネット技術は元々国防技術だ。

この点は「企業家としての国家」(マリアナ・マッツカート著、薬事日報社)

(原題 the entrepreneurial state)に詳しい。長期にわたるイノベーション主導の経済成長において、

国が果たすべき役割について語っている。国家との連携がとてつもなく大切なことなのだ。

■「企業家としての国家」(マリアナ・マッツカート著、薬事日報社)
https://www.amazon.co.jp/dp/4840813159

こうしてみてくると、世界経済は「米国を中心に回っている」

と理解すればほとんどのことはハッキリする。英国のEU離脱も、

米国中心の世界経済という大前提を持っていれば「驚く事には当たらない」という意見になる。

冒頭のインドネシアのシリコンバレー化をめざす、という記事は意欲的であるが、

かけ声倒れとなってしまうのではないか。

シリコンバレーの力、それが元々国家の技術であったことを考えると、

米国中心の時代はしばらく続く、とみておくのが賢明だ。

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